2023年11月 ~ 2024年2月頃まで実施される北海道江差町エリアでの地域住民向けMaaSの実証実験(通称「江差マース」)に参加します。令和3年度より3年連続の実施になり、令和6年度の実装に向けた最終段階となります。本実証実験において、弊社はAI便乗配車計算サービス SAVS を提供させていただきます。
江差マースは、移動サービスを単なる交通手段から新たな価値の創出と捉え、移動の各フェーズにおける収益創造と収益の地域循環モデルを検証したものです。本実証実験は、国土交通省による令和5年度「共創モデル実証プロジェクト」(共創モデル実証運行事業)に選定され実施するもので、昨年度は経済産業省、国土交通省の2つの事業で採択を受け、継続的な実証実験を実施しました。これにより、ハード面では地域に最適な配車システムや決済手段等、ソフト面では地域住民の利用促進に必要な告知方法について、さらにサービス価値を最大化する運行エリアや運賃設定、運行に必要なコストなど、事業の実現性にかかわる重要なテーマについてそれぞれ具体的な課題と改善策を見い出し、江差マースの実装に向けた明確道筋を立てることを可能にしました。
今年度も昨年度同様、江差町を中心に6,445人(2023年5月末現在)が所有する北海道共通ポイントカード「江差EZOCA」やLINEアプリによる購買や行動の需要喚起によって住民の移動促進を図り、地域の小売事業者など収入の増分を交通サービスの運営に充てる「収益循環モデル」の社会実装を目指すことを目的とし、前回の試みで生まれた住民ニーズへの対応など課題を解決し、サービスの精度向上により住民の受容性の拡大を図ります。さらに今年度の新たな取組として、サービス利用時において「江差EZOCA」の電子マネー機能を活用したキャッシュレス決済の導入や、江差マースを活用し「図書館の図書の貸出・返却」を可能とする貨客混載のトライアルなど、住民利便性を高める機能を追加することで、より一層の利用促進につなげる予定です。また、過去2年間の取り組みで得た経験、ノウハウ、課題と解決策、運行データ・地域のお買物データなどをすべて集約し、実際に実装時の運行形態やサービス内容、継続運行に必要な事業費を想定したうえでの最終の実証実験と位置付けており、本実証実験を経たのちの令和6年度からのサービス実装を目指します。
実証実験概要
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- 受託事業:国土交通省 令和5年度「共創モデル実証プロジェクト」(共創モデル実証運行事業)
実施主体:江差町地域公共交通活性化協議会
共創パートナー:サツドラホールディングス株式会社 - 運行期間:2023年11月~2024年2月頃
- 運行地区:江差町全域
- サービス利用対象者:上記運行地区の江差町住民および江差町来訪者
- 予約方法:電話予約(コールセンター)、LINE(スマホ)※江差マース専用のLINE公式アカウントの友達登録が必要
- 運賃:調整中
- 支払方法:江差EZOCA(電子マネー)または現金 ※EZOポイントの利用も可
- 江差マース主な機能:①オンデマンド配車予約(コールセンター、LINE)および移動
②店舗や商店街の情報配信
③お買い物クーポンの配信
④自治体イベント情報の配信
⑤図書館図書の貸出・返却
※②~④はLINE(スマホ)の利用者に限る
- 受託事業:国土交通省 令和5年度「共創モデル実証プロジェクト」(共創モデル実証運行事業)
各社の役割
サツドラホールディングス㈱ | 企画/事業モデル構築、地域事業者との連携調整 |
江差町地域公共交通活性化協議会 | 実証フィールドの提供/住民周知 江差町地域公共交通計画の推進 実装に向けた交通事業者との連携・調整 |
江差町図書館 | 図書の貨客混載における配送予約受付 |
㈱駅探 | 既存公共交通との情報連携、LINE公式アカウントの開設と設計 システム提供/モビリティ関連データ取得 |
㈱未来シェア | SAVS(配車計算サービス)・他地域事例提供 |
パーソルプロセス&テクノロジー㈱ | システム提供(LINEを活用したアプリケーション開発)/モビリティ関連データ取得 |
はこだて未来大学/札幌市立大学 | 学識有識者からの助言・サポート |
㈱桧山ハイヤー | 運行業務 |
追分カード会 (江差商工会員など約40店舗加盟) |
MaaSプラットフォームの活用(自店クーポン発行/情報発信等) |
㈱リージョナルマーケティング | EZOCAプラットフォーム提供、顧客データ/アンケート取得 |
北海道経済連合会 | プロジェクト運営における助言(Society5.0推進) |
日本データーサービス㈱ | 基礎調査業務、江差町地域公共交通計画策定に係る業務支援 |